ボールを抱えて笑顔を見せる北川ひかる選手

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【サッカー 北川ひかる選手】「睡眠だけは死守する」──海外を渡り歩くなでしこDFが辿り着いた、オンとオフの切り替え方

なでしこジャパンの主力DFとして、現在はイングランド・エヴァートンFCでプレーする北川ひかる選手。度重なる怪我や長距離移動と向き合いながら、毎日8時間の睡眠を最優先に据える理由と、オンとオフを切り替える心の整え方を伺いました。

今回インタビューしたのは、なでしこジャパン(日本女子代表)の主力DFとして活躍し、現在は女子最高峰の舞台であるイングランド・エヴァートンFCで世界の頂点に挑み続けるサッカー北川ひかる選手。

幼少期からボールを追い、JFAアカデミー福島での寮生活を経て、世代別の世界一や五輪を経験。その後、念願の海外リーグへとステップアップを果たす中で、彼女が常に大切にしてきたのは、「睡眠」を中心とした徹底的な身体への配慮と、心身を主体的に整えるセルフコンディショニングでした。

海外移籍直後に見舞われた怪我の苦しさをどう乗り越えたのか。そして、激しい長距離移動や時差を伴う過酷なシーズンにおいて、高いパフォーマンスを維持し続けるための「休み方」と「心の切り替え」の重要性について、約10年前からVENEXを愛用しているという彼女のリカバリーへの考え方を伺いました。

窓際の席に座り、インタビューに答える北川ひかる選手

幼少期からヨーロッパリーグ(エヴァートンFC)までの歩み

RLスタッフ:北川選手のこれまでの経歴を教えていただけますか?

北川選手:幼稚園の時にサッカー教室があったのをきっかけに競技を始めました。小学1年生でクラブチームに入り、最初は女子チームだったのですが、小学4年生頃からは男の子のチームに混ざってプレーしていました。
中学からは「JFAアカデミー福島」に入校し、6年間の寮生活を送りました。大学は早稲田大学に通いながら「浦和レッドダイヤモンズレディース(現・三菱重工浦和レッズレディース)でプレーし、その後「アルビレックス新潟レディース」へ移籍して5年間過ごしました。それから「INAC神戸レオネッサ」へ移籍し、1年プレーした後に海外へ渡り、スウェーデンとイギリス(イングランド)でそれぞれ1年ずつプレーしてきたという流れです。

RLスタッフ:スウェーデンとイギリスに1年ずつ。それは何歳の頃の挑戦だったのでしょうか?

北川選手:スウェーデンへ渡ったのは今からちょうど2年前、27歳くらいの時です。2024年の世界大会が終わってすぐに現地へ移動しました。

RLスタッフ:世界大会を終えてすぐに海外へ移動されたとなると、サッカー面だけでなく住環境の変化もあり、かなり慌ただしい日々だったのでしょうか?

北川選手:確かにこの2〜3年は、それぞれのチームに1年ずつしか在籍していなかったので、淡々と移籍を繰り返している感覚でした。環境の変化に適応するのは結構大変だったので、同じチームで2シーズン目を迎えるというのは、今いるエヴァートンが本当に久しぶりになります。

人工芝のピッチでボールを蹴る北川選手

過酷な海外シーズンと、1年後に迫るワールドカップへの決意

RLスタッフ:これまで様々なキャリアを積まれて、現在はイングランドのエヴァートンに所属されています。日本女子代表(なでしこジャパン)としての活動も含めて、激しいシーズンを戦い抜いてこられたと思いますが、現在の率直な心境をお聞かせください。

北川選手:やっぱり、海外でプレーすることの大変さを日々実感しています。飛行機での長距離移動もありますし、生活面も含めてかなりハードなので、本当に「タフな世界だな」と。
代表活動は年に数回ですが、合宿自体の拘束期間が長いです。今年の3月もアジア大会などがあって、1ヶ月ほどオーストラリアに滞在していました。ただ、気がつけば「あと1年で世界的で重要な大会」というタイミングに迫っています。この忙しさや過酷さもしっかりと受け止めながら、本当にもう時間がないので、とにかくそこに向けて頑張るしかないという気持ちです。
毎日が勝負だと思っているので、実は今日の朝もバイクなどでトレーニングを追い込んできたばかりなんです。

RLスタッフ:なるほど。かなり疲労が溜まっている状態なのですね。

北川選手:はい、正直いまは疲労がすごく溜まっています(笑)。

屋外の手すりの前に立ち、笑顔を見せる北川選手

度重なる怪我を乗り越えた、家族や仲間の支え

RLスタッフ:これまで色々な経験をされる中で、過去に大きな怪我も経験されているかと思います。それを乗り越えるためのリハビリ期間において、心の支えになった存在や、前を向くための原動力は何だったのでしょうか?

北川選手:これまでは筋肉系の怪我が本当に多くて、ずっと悩まされてきました。実は去年エヴァートンに加入した時も、すぐにハムストリングの腱を痛めてしまって、2ヶ月ほど離脱したんです。
新しいチームに移籍した直後に怪我からのスタートというのは、精神的にも結構辛いものがあります。当時は本当に耐える日々で苦しかったので、両親には毎日電話をして話を聞いてもらっていました。また、今のチームには自分の他に日本人のチームメイトが3人いるので、彼女たちの存在にも本当に支えられたなと感じています。
こうした苦しい時期は、誰かの支えがないとやっぱり乗り越えられないなと実感しますね。これまでも、いつも家族や両親が自分を支えてくれていました。

グレーのパーカーを着てベンチに腰かけ、笑顔を見せる北川選手

年齢とともに変化する「リカバリー」への意識

RLスタッフ:今の身体のコンディションについてどう感じていますか?

北川選手:若い頃と比べると、やっぱり疲労の回復は遅くなっていますね。そのため、食事の量や睡眠の質にはかなり気を配るようになりました。若い時よりもリカバリーに時間がかかってしまう分、ケアに関してはより深く考えて取り組むようになっています。

RLスタッフ:そうなんですね。普段はどのようなリカバリー方法を取り入れているのですか?

北川選手:ストレッチの時間は以前よりも長くなりました。あとは、日本に帰国した際は絶対にサウナへ行きますね。サウナが本当に大好きなんです。ただ、自分の中で一番大切なのは「寝ること」だと思っているので、基本的には毎日8時間睡眠を死守することが最優先のケアになっています。

ゴールを背にしたピッチでボールを扱う北川選手

長距離移動と時差がもたらす、コンディション維持の難しさ

RLスタッフ:少し具体的にお聞きしたいのですが、海外でプレーされていると移動が非常に多いと思います。その際の身体への負担や、コンディションを維持する難しさについて教えていただけますか?

北川選手:とにかく飛行機での移動が格段に増えましたね。しかも、日本からヨーロッパへの移動だと16時間ほどかかってしまうこともあります。そうなると基本的には身体がだるくなりますし、時差もあるので、体調を万全な状態に戻すには以前よりも時間がかかるようになりました。
若い頃なら勢いでどうにでも解決できたのですが、今はそうはいきません。食事に気を配るのはもちろん、睡眠のタイミングを現地の時差に合わせるなど、いろいろと工夫しています。昔に比べて、身体のケアにはかなり神経を使っているなと感じます。

ホームとアウェイでの調整、遠征時のルーティン

RLスタッフ:それに付随して、ホーム戦とアウェイ戦があると思いますが、それぞれのルーティンや、タイムサイクルの調整方法に違いはありますか?

北川選手:調整方法そのものに大きな違いはありません。ただ、私たちは今リヴァプールを拠点にしているのですが、ロンドンでの試合の時はバスで4時間ほどかけて移動するんです。

RLスタッフ:4時間は結構長いですね。

北川選手:そうなんです。結構長旅なので、移動中にどうしても身体が固まってしまいます。その固まった状態のまま寝てしまうと、次の日に身体が重すぎて動けなくなってしまうんです。そのため、アウェイの遠征先でもお風呂(湯船)にしっかりと浸かって、身体をほぐすように意識しています。

RLスタッフ:海外の遠征先でも、ちゃんとお風呂に浸かれる環境があるのですね。

北川選手:はい、一応湯船があるホテルを選んだりして、入るようにしています。

机に向かい、インタビューに答える北川選手

遠征先での工夫と、10年前から愛用する「リカバリーウェア」

RLスタッフ:海外でプレーする他の選手からは、「アウェイのホテルには浴槽(湯船)がない」という悩みをよく耳にします。

北川選手:そうですね、アウェイ戦の前日に泊まるホテルは湯船がないことが多いです。部屋に入ってバスルームを見た瞬間に「あ、やっぱり湯船がないか、どうしよう……」ってなることもあります(笑)。
ただ、私は遠征の時には毎回、自分の枕を持参するようにしているんです。やっぱり自分は、それくらい睡眠を一番大事にしているタイプなんだと思います。

RLスタッフ:ありがとうございます。今「睡眠」という言葉が出ましたが、北川選手にはVENEXのリカバリーウェアをご愛用いただいています。使い始めたきっかけは何かあったのでしょうか?

北川選手:きっかけは、確か10年ほど前だったと思います。母が「VENEXのこのウェア、すごくケアに良いらしいよ」と買ってきてくれたんです。
先ほどもお話しした通り、私はとにかく睡眠を大切にしています。VENEXを着るようになってからは、明らかにリラックスして寝れるようになりました。それまではパジャマなど着るものにこだわらずに寝ていたので、ウェアにこだわることで睡眠環境も良くなるんだと、本当に実感しています。

RLスタッフ:寝起きの体感もありますか。ちなみに、数ある商品の中で特にお気に入りのアイテムはありますか?

北川選手:今穿いているようなワイドパンツのタイプではなく、足首のところがキュッと締まっているボトムス(※スタンダードドライ+)があるのですが、それはイギリスでもずっと愛用しています。あとは「レッグコンフォート(レッグウォーマー)」もお気に入りです。

RLスタッフ:移動が多い選手からは、特にレッグコンフォートが好評です。女性は特に移動中の足元の悩みはつきものなので、「これがあると本当にありがたい」というお声をよくいただきます。お役に立てているようで嬉しいです。

笑顔でインタビューに答える北川選手

心身を整え、怪我なく“ベスト”で挑む大舞台へ

RLスタッフ:今後の目標についてお聞きします。常に高いパフォーマンスを維持し、怪我なくピッチに立ち続けるために、普段から意識していることや気をつけていることはありますか?

北川選手:昔は怪我が多い時期もありました。だからこそ身体のケアは当然しっかりやりますが、それ以上に「心の切り替え」を意識しています。実は過去に、試合前の緊張などでなかなか眠れない夜が多かったんです。
だからこそ、リラックスする時はとことんリラックスする。そうやって、年齢を重ねてやっとオンとオフをしっかりと切り替えられるようになってきました。そこはVENEXの服を着用することで、オフの時間を効率的に使えるようになったことにも助けられていますね。
ここからさらに自分を強化していく時期に入りますし、激しいトレーニングも増えていきます。色々なところに気を配り、時間をかけて丁寧に身体をメンテナンスしていきたいです。ここで怪我をしてしまったら、本当にもったいないので。

RLスタッフ:だからこそ、日々のコンディショニングがより重要になってくるのですね。。次の大会は4年に一度の大舞台ですものね。

北川選手:はい。自分の年齢(※2026年時点で29歳)を考えても、今度のワールドカップが「一番良いコンディションで挑める大会」になると思っています。だからこそ、本当にここに全てをかけてやっているという感覚です。

人工芝のピッチでボールを蹴る北川選手

サッカー選手としての今後の目標

RLスタッフ:ありがとうございます。それでは最後に、サッカー選手としての今後の目標を教えてください。

北川選手:先ほども言ったように、チームとしても個人としても「世界的な大会で優勝すること」が最大の目標です。
ただ、代表内の競争は本当に激しいですし、私は昔からずっとエリート街道で選ばれ続けてきたわけではありません。だからこそ、まずはあの世界的な大会のピッチに立つために、代表メンバーに選ばれなければいけない。そこを目指して全力でやり抜きます。
そのためにも、まずは所属チームであるエヴァートンでしっかりと結果を残し、プロとしてのパフォーマンスを高めていきたいと思っています。

■Profile

ボールを抱えて笑顔を見せる北川ひかる選手のプロフィール写真

北川ひかる(きたがわ ひかる)
1997年5月10日生まれ、石川県金沢市出身の女子サッカー選手。ポジションはディフェンダー(左サイドバック / 左ウィングバック)。高い技術と豊富な運動量を誇り、高精度の左足のクロスと攻撃参加を武器とするなでしこジャパン(日本女子代表)の主力DF。
幼少期にサッカーを始め、中学から「JFAアカデミー福島」で頭角を現す。年代別の日本代表に常時選出され、2014年のU-17女子ワールドカップでは世界一を経験。
その後、国内トップリーグの浦和、新潟、神戸でキャリアを積み、2024年に念願の海外移籍(スウェーデン、イギリス)を果たす。同年のパリで開催された世界大会では日本代表として活躍し、2大会連続のベスト8進出に大きく貢献した。
現在は女子最高峰の舞台であるイングランド・女子スーパーリーグ(WSL)のエヴァートンFCに所属。度重なる怪我を乗り越え、心身ともに充実期を迎えており、4年に一度の大舞台(ワールドカップ)での世界一獲得を目指してさらなる進化を続けている。

〈所属チーム歴〉 菊川FC Jr. ‐ JFAアカデミー福島 ‐ 浦和レッドダイヤモンズ・レディース早稲田大在学) ‐ アルビレックス新潟レディース ‐ INAC神戸レオネッサ ‐ BKヘッケン(スウェーデン) ‐ エヴァートン(イングランド)

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